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異世界フィッシング ~釣具召喚チートで異世界を釣る~ 作者:マキザキ

2章:ダンジョン・アングラー 大陸中央迷宮変

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第59話:日々の雑用クエスト




 ある日、俺は一人でギルド本部を訪れていた。

 特に用事があるでもないが、顔出しは大事である。

 デイスでもよくやっていたことだが、時々一人で雑用依頼を引き受け、地下水路の見回りや時計塔の掃除等を行っている。

 高く留まったいけ好かない奴と思われないためにも、こういう行動でちょっとした貢献を見せるのは大切だ。


 おかげで、当初はやや険悪だった現地の冒険者達とも打ち解け、軽口を叩ける程度の関係は築けた。

 あの特務にケチをつけ、シャウト先輩とコトワリさんに絞められた人たちも、今では酒のつまみを奢ってくれる。


 今日は地下水路の見回りでもしてやるかぁ…と、依頼紙をボードから剥がしていると、トントンと肩を叩かれた。

 振り向けば、チクッと何かが頬にめり込み、「にゃはははは」という笑い声がすぐ後ろから聞こえる。

 ……。

 イラッ……。


 マーゲイ……。

 悪戯は子供の時卒業しようぜ……。

 そう言うと彼は「にゃはははは。男児はいつまでも少年のハートを持ってこそにゃ」と笑う。

 とても後輩育成論説いた男と同一人物とは思えん……。



「ところでにゃあユウイチ? アイツら見なかったにゃ?」


「アイツらって?」


「アイツらにゃ。ほら、お前の年下の方の愛人にちょっかいかけてた連ちゅ……ひに゛ゃぁ!!」



 真昼のギルド食堂でゲスいことを言ってきたお返しに空手チョップをお見舞いする。

 アイツらって言われても、俺顔覚えてないんだが……。



「あにゃにゃ……。アイツら今日決闘とか言ってたのに待てど暮らせど来ないにゃ。逃げたかにゃ?」


「何だ何だ物騒な……。愛ちゃんの一件か?」


「それもだけど、何か僕が口説いた女の子達がアイツらの狙ってた本命ちゃんだったらしいにゃ。それでなんかブーブー言ってきてにゃぁ。強くてかっこいい僕に惹かれるのは不思議じゃないんにゃけどにゃぁ……」


「うわ! なんかムカつく!」


「お前あんな可愛い子達4人……いや3人も落としといて何言ってるにゃ! いにゃあああああ!! 顔はやめるにゃああああ!!」



 彼の恋愛脳をアイアンクロ―で締め上げていると、後ろからゴホンと席払いが聞こえた。

 あ、しまった。

 ここクエストボード前でしたね……。

 すんません……。


 そう言って横にスライドし、並んでいた冒険者にボードを譲る。

 と、俺達の背後から現れたのは、これまた見知った顔だった。



「ちょっとあなた達。仮にも特務を賜る冒険者が、朝からそんなお下品な会話しないでくださる!?」



 そう言って眉を顰めるネスティ。

 あら意外。

 君もクエストボード見に来たりするんだね。



「冒険者たるもの、日々の鍛錬が必要ですの。例え特務が無くとも、腕が鈍らないよう努めるのが当然ですわ。あなたもそのためにクエストを受けに来たのではなくて?」


「ああ。まあそんな感じかも」


「へぇ! 君らは偉いにゃぁ! 僕はここ最近女の子と遊び放題にゃ」


「嘘が下手ですのね」


「あにゃ~……そうかネスティちゃんはそういうの見破れる人だったにゃ……」



 いや、お前が時間のある限りクエスト回してるのは誰でも知ってるぞ……。

 チャラいくせに努力家だからこそ冒険者ガールズ受けがいいんだお前は。

 そんなギャップ萌え猫を捨て置き、俺はクエストカウンターへ向かう。

 知らないチンピラ冒険者の捜索とか頼まれたら面倒だしな……。



 クエストを受注する書類にサインをしていると、なんか視線を感じる……。

 その気配のする方を見ると、ネスティがクエストボードを見ながら、こちらをチラチラ見つめてきていた。

 あの……なんですか?



「リーダーは貴方と一緒にクエストに出てみたいと思っているのですよ」


「うわ! びっくりした!!」



 突然おれの隣に現れたフェイスが、ネスティの意志を代弁してきた。

 え、そうなの?

 と、彼女に尋ねれば、一瞬驚いた顔をした後、コクンと頷いた。

 な……なんで……?



「気の置けないお友達と一緒にクエストへ行くのが夢だったのですよ……」



 小声で耳打ちしてくるフェイス。

 ああ……そういう……。

 まあ、確かに気軽に話せる友達少なそうだしね君……。

 そうこうしている間にもネスティは「きー! 何ですのその憐れみの感情は!! フェイス! 余計なことを教えないでくださいまし!」とドタバタしている。

 ま、断る道理もないだろう……。



「ショボくて緩いクエストでいいなら、ご一緒頼むよ」



 そう言うと彼女は一瞬目を輝かせ、「ふんっ! 私の腕に適うクエストなのでしょうね?」とかふんぞり返ってくる。

 フェイスは「いいでしょう? ウチのリーダー……」と耳打ちしてきた。

 まあ……嫌いではない。



「なら、僕もご一緒するにゃ」



 と、多分今の会話全部聞き取ってたであろうマーゲイも加わってくる。

 このクエスト3人が定員なんだけど……。


 ネスティは少し嫌そうな顔になったが、フェイスに耳打ちされて促されるまま、俺の名前の下にサインを書き入れた。

 マーゲイが彼にコクンと頷き、フェイスもそれに会釈で返しているあたり、たまには自分がいないパーティーで頑張ってみるよう言ったに違いない。

 部下兼保護者として、彼なりにネスティのことを思っての采配だろう。


 しかしまあ……。

 特務戦力のサブリーダー一人にリーダー二人のパーティーで水路見回りって……。

 過剰戦力にもほどがあるよな……。

 驚いた顔でクエスト受注用紙を何度も見返す受付嬢を尻目に、俺達は意気揚々と地下へ続く階段へと向かった。


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